【事例紹介】別の商品のバーコードを張り付けて購入し電子計算機使用詐欺罪で逮捕された事例
安い商品のバーコードを張り付けてセルフレジで精算したとして、電子計算機使用詐欺罪の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
商業施設にセルフレジの導入が進む中、スーパーで購入品に別の安い商品のバーコードを張り付けてセルフレジで不正に精算したとして、福岡県中央署は4日、電子計算機使用詐欺の疑いで、福岡市中央区の無職の男(73)を逮捕した。
逮捕容疑は(中略)福岡市中央区内のスーパーで、食料品など4点(3千円相当)を購入する際、別の商品のバーコードをセルフレジにかざし、精算処理をした疑い。「弁解することは何もない」と容疑を認めている。
(後略)
(7月4日 佐賀新聞 「スーパーのセルフレジで別商品のバーコードを使用 不正精算疑いで佐賀市の73歳男逮捕 佐賀北署」より地名・警察署名を変更して引用しています。)
電子計算機使用詐欺罪
刑法第246条の2
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
電子計算機使用詐欺罪を簡単に説明すると、コンピューターやそのシステムなどの電子計算機に事実とは異なる虚偽の情報などを与えて財産上不法の利益を得ると成立する犯罪です。
報道によると、容疑者は安い値段の別の商品のバーコードを購入予定の商品に張り付け、セルフレジにかざすことで、実際の販売価格よりも安い価格で商品を購入したとされています。
セルフレジでは、店員を介さずに自分でレジにバーコードをかざし精算しますので、電子計算機であるセルフレジのシステムに、実際の販売価格とは異なる価格のバーコードをかざすことで虚偽の情報を与え、実際の販売価格よりも安い価格で購入することで財産上不法の利益を得たと考えられます。
ですので、実際に容疑者が安い商品のバーコードを張り付け、セルフレジで不正に精算したのであれば、容疑者に電子計算機使用詐欺罪が成立する可能性があります。
電子計算機使用詐欺罪に問われたら
電子計算機使用詐欺罪は詐欺罪と同様に、有罪になると10年以下の懲役が科されます。
電子計算機使用詐欺罪には罰金刑の規定がないため、有罪になると必ず懲役刑が科されてしまいます。
懲役刑は刑務所で刑務作業に従事しなければならない刑罰ですから、懲役刑が科された場合には刑務所に収容されることになります。
ですが、執行猶予付き判決を獲得することができれば、電子計算機使用詐欺罪で有罪になったとしても一定期間刑の執行が猶予されますから、何事もなければ刑務所に行かずに済むことになります。
しかし、執行猶予付き判決を獲得するためには言い渡される刑罰が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金でなければなりません。(刑法第25条)
電子計算機使用詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役ですから、執行猶予付き判決を獲得することが容易であるとはいえません。
とはいえ、電子計算機使用詐欺罪で絶対に執行猶予付き判決を獲得できないわけではありません。
刑事事件に精通した弁護士に相談をすることで、執行猶予付き判決を獲得できる可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見サービス、無料法律相談を行っています。
経験豊富な弁護士による取調べ対策や示談交渉などで執行猶予付き判決の獲得など少しでも良い結果を得られる可能性がありますから、電子計算機使用詐欺罪でお困りの方はお気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。