少年の振り込め詐欺事件

少年の振り込め詐欺事件

少年の振り込め詐欺事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所弁護士が解説します。

・事件

京都府宮津市に住む高校生のAくんは、ある日、友達に、「荷物を受け取るだけでめちゃくちゃ小遣いがもらえるバイトがあるんだけど、やってみない?」と誘いを受けました。
遊ぶお金が欲しかったAくんは、友達の誘いに乗り、アルバイトをやってみることにしました。
後日、非通知の携帯から連絡があって、京都府宮津市に住むおばあさんから封筒を受け取って、近くにある駅のコインロッカーに入れるように言われました。
Aくんは、ひょっとしてこれは噂の振り込め詐欺なんじゃないのかと思いましたが、お小遣いももらえるしまあいいかと思い、指示に従っておばあさんから封筒を受け取りました。
そんなことを何度か繰り返していると、ある日、家に京都府宮津警察署の警察官が来て、Aくんは、振り込め詐欺に関わった疑いで逮捕されてしまいまいした。
Aくんが心配でたまらない両親は、刑事弁護に詳しいと評判の弁護士に相談に来ました。
(フィクションです。)

・振り込め詐欺

振り込め詐欺は、オレオレ詐欺、母さん助けて詐欺などの種類がある特殊詐欺の1つで、被害者に対してその家族や公務員、銀行員などになりすまして連絡を取り、嘘の話から金をだまし取る手法の詐欺です。

振り込め詐欺は、もちろん詐欺罪に当たる犯罪です。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役となっています(刑法246条)。
さらに振り込め詐欺の中で「出し子」と呼ばれる役割を担った場合には、加えて窃盗罪が成立することも考えれます。

振り込め詐欺のほとんどは、高齢者を対象としており、警察が取り締まりを強化しているにも関わらず、増加の一途を辿っています。
振り込め詐欺をしたことに対するの処罰は、年々厳しくなっています。
振り込め詐欺事件の被害額が高額であることや、こうした振り込め詐欺を減らすためにも厳しい対応を示すことが必要であることが原因であると考えられます。

振り込め詐欺は複数人で実行されることが多いため、振り込め詐欺事件で逮捕された場合には組織的な犯罪を疑われ、関係者との口裏合わせや、関係者を利用した証拠隠滅を防止するために、勾留や接見禁止が付される可能性が非常に高いです。
接見禁止が付されれば、たとえ家族であっても逮捕された人との面会や手紙のやり取りができません。
そのため、事件の解決には、弁護士による早期の介入が必要不可欠といえます。

・少年の振り込め詐欺事件での弁護活動

先ほど、詐欺罪や窃盗罪の法定刑を紹介しましたが、今回のAくんは高校生なので、未成年です。
ですから、少年法の適用を受けることになるので、詐欺罪や窃盗罪で処罰されるということにはなりません。

しかし、逮捕・勾留されて、取調べを受けている段階では、少年事件も成人の刑事事件の手続きと大差はありません。
振り込め詐欺事件で勾留されたり、接見禁止がつく可能性が高いことも成人と同様です。
もっとも、今後のために、少年と何度も接見して、弁護士との信頼関係を築いたり、家族だけでも接見禁止を解いたり、少年であることに配慮した取調べをするよう警察に働きかけたりと、少年であることから弁護士がやるべきことはもちろんあります。

手続きの流れが大きく変わるのは、捜査が終わった後です。
成人の刑事事件であれば、通常、検察官が差地方裁判所に事件を起訴することになりますが、少年事件の場合は家庭裁判所に送致されることになります。
そこで、少年鑑別所で生活を送りつつ鑑別する必要があると裁判官が判断すれば、少年鑑別所に少年を送る、観護措置が取られることになります。
少年は、そこで審判までの生活を送ることになります。

振り込め詐欺は、特に未成熟な少年だと、軽いバイト感覚で加担してしまいがちですが、裁判官からすれば、少年と反社会組織との繋がりが強く疑われる犯罪です。
ですから、観護措置が取られたり、審判の結果少年院に送られたりすることも、珍しくありません。
弁護士は、少年と信頼関係を築き、少年が振り込め詐欺に加担してしまった原因は何なのか、少年と一緒に考えるとともに、二度と振り込め詐欺に加担しないよう、少年の反省を促します。
また、家庭環境を整える・被害者の方へ被害の弁償をする、といった活動をしていきます。
そのうえで、少年にとって適切な処分が下されるよう、説得的に主張していくことになるでしょう。

子どもが振り込め詐欺で逮捕されてしまったとお困りのときは、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弊所では刑事事件だけでなく、少年事件も専門に取り扱っています。

 

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