東京都台東区で準詐欺

東京都台東区で準詐欺

東京都台東区準詐欺事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

東京都台東区にある認知症対応型グループホームの職員であったAさんは,入居者のVさん(当時72歳)が認知症で事物の判断をするのに十分な普通人の知能を欠く状態であることに乗じて,Vさんから現金の交付を受けようと考えました。
Aさんは東京都台東区内の郵便局においてVさんに対し,Vさん名義の通常貯金口座から現金1000万円を払い戻させた上,その頃,同所において,郵便局員を介し,Vさんから前記現金1000万円の交付を受け,もって人の心神耗弱に乗じて財物を交付させました。
後日,事態を知ったVさんの家族から通報を受けた警視庁下谷警察署の警察官によってAさんは取調べを受けることになりました。
(フィクションです)

【準詐欺罪】

準詐欺罪は刑法第248条に規定されている犯罪で,判断能力が十分でない等の人に対して,その判断能力が十分でない等の事情に乗じて財物を交付させるという犯罪です。

刑法第248条
未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて,その財物を交付させ,又は財産上不法の利益を得,若しくは他人にこれを得させた者は,10年以下の懲役に処する。

10年以下の懲役という法定刑は,詐欺罪(刑法第246条)や恐喝罪(刑法第249条)などと同じです。
しかし,詐欺罪がその成立に欺罔行為(人を欺く行為)を求めているのに対し,準詐欺罪では詐欺罪にいう欺罔行為がなくとも処罰可能となる点が重要です。
通常の詐欺罪にいう欺罔行為とは,財産を処分させる手段として,財産についての処分権限をもつ相手方において,財産処分の判断の基礎となる重要な事項に関し,錯誤(思い違いや勘違い)を生じさせる行為です。
準詐欺罪では,相手方が知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者である場合に限って,欺罔行為がなくとも未成年者の知慮浅薄や人の心神耗弱を利用して財物の交付や財産上の利益を取得することを処罰可能にしています。

準詐欺罪にいう「知慮浅薄」とは,知識が乏しく,思慮の足りないことをいいます。
そして「心神耗弱」とは,一時的・継続的な精神状態の不十分さにより一般通常人程度の知識・物事の判断力を備えていないことをいい,刑法第39条第2項の心神耗弱とは同一でないことに注意してください。

今回の被害者であるVさんは認知症ですが,相手方が認知症患者であることが直ちに準詐欺罪における心神耗弱であることの認定につながるわけではなく,心神耗弱やさらには未成年者の知慮浅薄はその症状の程度などを総合考慮してなされます。

また,相手方が知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者であっても,欺罔行為を手段として財産の処分を行わせた場合は準詐欺罪ではなく詐欺罪に問われます。
加えて,意思能力がない者から財物を取得するときは相手方が財産処分の判断をしているとはいえないため窃盗罪(刑法第235条)となり,同じく相手方が知慮浅薄な未成年者や心神耗弱者であっても,欺罔行為や欺罔行為に至らない程度の偽り・誘惑を手段とせずに財物を取得した場合も窃盗罪となります。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。

量刑判断の考慮事項としては,計画性の高さ,被害額の多さ,犯行の動機,初犯であるかどうか,十分に反省しているといえるかどうか,被害補償をしているかどうかなどがあります。

いずれにしても,刑事事件の知識・経験のある弁護士に相談し,自身のケースではどういった見通しが考えられるか,どういった活動が可能か詳しく聞いておくことが大切といえるでしょう。

【準詐欺事件の弁護活動の方針】

Aさんは今回,警視庁下谷警察署で取調べを受けることになっています。
取調べを受けるにあたり,弁護士は黙秘権などの法的なアドバイスや,予想される質問内容に対する答え方などを提供することで依頼者様に不当に不利にはたらく内容の調書の作成を阻止します。
取調べを受ける前にご依頼いただくことによりその効果は最大に発揮されますが,時機が遅くなればなるほど,当初期待された結果につながりにくくなってしまいますので,お早めにご相談いただくことが何より重要です。

また,準詐欺事件では,被害者との示談交渉を行うことも重要な活動内容の一つです。
当事者間で直接交渉することは時間も労力もかかってしまい,その間に刑事手続きが進むことが懸念されます。
刑事事件に強い弁護士が間に入ることにより,円滑に交渉を進めることができ,なおかつ依頼者様にとってより利益となる内容での示談成立が期待できます。

これらの活動などにより,不起訴や執行猶予の獲得を目指すことができます。

詐欺罪準詐欺罪の被疑者となってしまった方,警視庁下谷警察署で取調べを受けることになってしまった方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

 

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