特殊詐欺と接見禁止解除

特殊詐欺と接見禁止解除について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

北九州市小倉南区に住むAさんは、詐欺未遂罪(特殊詐欺)の現行犯で逮捕されてしまいました。Aさんの家族は、逮捕直後に小倉南警察署で面会をしようとしましたが認められず、勾留された後も接見禁止決定が出ているということで認められませんでした。そこで、Aさんの両親は、弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~特殊詐欺~

特殊詐欺とは、不特定の方に対して、対面することなく、電話、はがき、FAX、メール等を使って行う詐欺のことで、2011年4月の警察庁の発表から正式に呼称されています。特殊詐欺は「振り込め詐欺」と「振り込め類似詐欺」に分けられます。
「振り込め詐欺」は、
・オレオレ詐欺
・還付金詐欺
・架空請求詐欺
・融資保証金詐欺
に分類されます。「振り込め類似詐欺」は
・金融商品等取引名目の詐欺
・ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺
・異性との交際あっせん名目の詐欺
・その他の特殊詐欺
に分類されます。
なお、オレオレ詐欺は、
・現金振込み型:ATMから指定した口座に現金を振り込ませる方法
・キャッシュカード受領型:被害者から直接キャッシュカードを受領する方法
・現金受取り型:被害者から直接現金を受け取る方法
の3つに分類されると言われています。Aさんのような被害者から直接、現金やキャッシュカードを受け取る役は「受け子」と呼ばれています。

~逮捕された人とはいつから面会(接見)ができる?~

ご自身の子供さんが「逮捕された」という通知を受けて、一刻も早く面会したいというお気持ちは分かりますが、逮捕直後は法律上、
弁護人または弁護人となろうとする者以外の者との面会
は認められていません。では、法律上いつから面会が認められているかといえば勾留決定が出た後です。刑事訴訟法80条では次の規定を設けています。
刑事訴訟法80条
 勾留されている被告人は、第39条第1項(弁護人または弁護人になろうとする者)に規定する者以外の者と、法令の範囲内で、接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。勾引状により刑事施設に留置されている被告人も同様とする。
なお、ここで「被告人(起訴された人)」とありますが、被疑者(起訴される前の人)にも適用されます。
逮捕から勾留まで
おおよそ3日間
は要すると思いますから、この3日間は、原則、面会できないと考えられていたほうがよろしいかと思います。

ところが、勾留後も「弁護人または弁護人となろうとする者以外の者」、つまりご家族らの方との面会が制限されることがあります。それが、
被疑者・被告人に接見禁止決定が出た場合
です。
接見禁止決定とは、通常検察官の請求を受けた裁判官が、被疑者・被告人が逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると認めた場合に、勾留されている被疑者・被告人と弁護人又は弁護人となろうとする者以外の者との接見を禁じる決定のことをいいます。
特殊詐欺は組織的に行われる犯罪であることから多数の関係者が関与していることが多く、そのため、特殊詐欺で勾留されると接見禁止決定で出ることが比較的多いと思われます。

接見禁止を解除するための手段として、接見禁止の裁判に対する準抗告・抗告の申立てがあります。これは法律(刑事訴訟法)上認められた手続きです。他に、接見禁止の全部又は一部解除の申立てがあります。全部解除となれば、制限なく接見できます。また、一部解除とは、裁判官・裁判所が認めた範囲の人のみ接見を認める処置です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、特殊詐欺をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

 

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